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- 障害年金の請求のポイント -
⑥「がん(悪性新生物)」の障害年金のポイント

⑥「がん(悪性新生物)」の障害年金のポイント

「がん(悪性新生物)」の障害年金のポイントについて説明をします。

(1)(はじめに)

以下の4つの点から説明していきます。
①「因果関係」について
②「診断書の取得時期」について
③「転移」について
④「診断書の種類」について

(2)まず初めに、「因果関係」について説明します。

障害年金診断書の記載項目の中に、「一般状態区分表」「日常生活活動能力」などの項目があります。 これらの記載項目は、日常生活の身のまわりのことが自分でできるか、外出がどの程度制限されているかなどの内容を医師が記載するものです。
そして、これらの項目は、障害年金の審査において、大きなウェイトを占めています。「がん」の場合は、治療の副作用によって、全身の強い倦怠感や衰弱などが生じ、その結果として日常生活の身のまわりのことが自分でできず、外出の制限などがあるといった内容の診断書の記載が必要となるのが一般的です。

 

ここで問題になるのは、「実際に生起している全身の強い倦怠感など」と「がんの治療の副作用」との因果関係です。
全身の倦怠感などがあるとしても、それらが診断書の記載上、治療以外の他の原因による可能性が読み取れるなど、両者の間の因果関係がはっきりしていない場合は問題が生じてきます。 そのため、できるだけ明確な形で因果関係に関する記載をしてもらうことが要請されます。

 

ただ、この因果関係については、厳密な意味での因果関係の記載がなくても足りるものと考えます。 経験上、例えば「がん治療の副作用と思われる」全身の倦怠感というほどの一般的な因果関係の記載がなされ、他の原因に関する記載がなければ、因果関係は肯定される場合が通常であるとは思います。

しかし、診断書上に、他の原因となりうるものの記載が併記されていれば、そのこと自体が大きな問題になるので、その点は注意が必要となります。

(3)次のポイントは、「診断書の取得時期」についてです。

がんの治療による副作用は、治療期間の前後において、副作用が強く現われる時期とそうでない時期とがあることがあります。

 

そのため、障害年金の診断書を取得することになる期間内(例えば、障害認定日以後3か月の間)であっても、具体的にいつの時点(何月何日)の症状を書いてもらうかによって副作用による全身の倦怠感や衰弱などの症状の程度が大きく左右されることになります。
ひいては、障害年金の受給可能性に直接つながることとなります。

 

そのため、障害年金の診断書を医師に依頼する際には、いつの時点の状態での診断書を書いてもらうか、事前に医師との間でよく相談することが大切となります。

(4)三点目は、「転移」についてです。

この点は、最初の「因果関係」の問題とも関連する事柄です。
がんの場合、他の臓器などに転移していることが多いため、転移が認められるときには、診断書に転移の有無とその状態を記載してもらうことが必要になってきます。

 

そこで、ポイントとなるのは、診断書に「転移の内容」について記載してもらう際には、「あくまで当初の原発のがんによる転移であること。」が明確にわかるように記載してもらう必要があるということです。
なぜなら、当初の原発のがんによる転移であることが診断書上判然としていないならば、相互に無関係な別々のがん(別々の傷病)であると認識されることになりかねないからです。

 

相互に無関係な別々の傷病ということになれば、それぞれについて初診日も異なることとなり、初診の証明書である「受診状況等証明書」も別個に取得しなくてはなりません。 
また、診断書に記載されている症状は、どちらの傷病(がん)によるのかが明確でなくなり、障害年金の審査の上で、その診断書では障害の状態を判定できなくなり、そのために障害年金を受給できなくなる可能性が生じます。
さらには、そもそも、同一の診断書で併発しているがんの障害年金の請求ができるかという根本的な問題が起こります。(併発しているがんについては、その初診日から、まだ1年6か月を経過していないなどの理由が考えられるため。)

 

そのため、繰り返しになりますが、「転移」についての記載は必須ですが、「当初の原発のがんによる転移であること。」の因果関係が診断書上に明らかになっていることが必要です。

(5)最後に、「診断書の種類」について、説明をしていきます。

障害年金の診断書は、障害の部位ごとに個別に分かれています。
そして、障害年金の審査は、病名の如何ではなく、原因となった傷病(病気)によって、具体的にどのような症状が生じており、そのために日常生活や労働がどの程度制限されているのかが判断されます。

 

そのため、具体的に生じている症状が何であるかを見極め、その症状のすべてを網羅することができるよう、様々な診断書の種類の中から、提出する診断書を余さずに選択することが必要です。
つまり、生じている症状のすべてを網羅して申請するために、複数の種類の診断書を提出することが要請される場合があるのです。

 

「がん」の場合は、転移などの結果として、様々な臓器等に症状が現われることが多いため、それに応じて複数の診断書を申請にあたって提出することがあるのです。

 

障害年金の審査は総合的に判断されるため、複数の診断書を提出することで、様々な症状が総合的に評価されることになり、その結果として、障害年金の受給可能性を高めることにつながるのです。

 

以上、「がん」の場合の障害年金のポイントについて、やや詳しく説明をさせていただきました。
論点が多岐にわたり、内容が今一つわかりにくかった点もあろうかと思いますが、障害年金の申請をする前に、ぜひ念頭に置いておいて頂ければと思います。

もし、わからないことや、疑問に思うことなどがあれば、ぜひ専門家に相談をしてみることをお勧めいたします。

  1. その他の障害年金のポイントについては下記のリンクからご覧ください。
  2. 「統合失調症」の障害年金のポイント
  3. 「うつ病」の障害年金のポイント
  4. 「双極性障害(躁うつ病)」の障害年金のポイント
  5. 「発達障害」の障害年金のポイント
  6. 「脳疾患(脳出血、脳梗塞等など)」の障害年金のポイント
  7. 「がん(悪性新生物)」の障害年金のポイント
  8. 「難病」の障害年金のポイント
  9. 「腎疾患(人工透析など)」の障害年金のポイント
  10. 「心臓疾患」の障害年金のポイント

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